前歯が1本だけ黒くなってきてしまった。そんな相談を頂くことがあります。
Q「むし歯でもないのに、なんで色が変わってくるのでしょうか?」
A「それはもしかすると神経が死んでいるのかもしれません。神経が死ぬと、時間が経つにつれて象牙質の色が濃くなってしまいます。」
むし歯になっていないのに、健康で綺麗なはずの歯が、いつの間にかある歯だけが周りの歯よりも黒っぽく目立ってきてしまうことがあります。
治療していない歯にこうしたことが起こる場合、原因として考えられる代表的なものが「歯の打撲」です。
前歯はとくにぶつけやすく、しかも根っこは一本ですから衝撃に弱いのです。
そのため転んだり、スポーツの試合中にぶつけたりすると、そのショックで歯の神経が死んでしまうことがあります。
ぶつけたときに歯が欠けたりグラグラしたりすれば、歯科医院ですぐに診てもらうでしょうが、ぶつけただけの痛みだけでは、歯科医院にかからない場合があります。歯の色が黒く変わってきてはじめて、神経が死んでいると知って驚く方も少なくはありません。
こうした神経の死んだ歯を、私たちは「失活歯」と呼んでいます。
歯の失活による変色は、失活してすぐにはじまるとは限らず、何年もかかって徐々に進むことが多いのが特徴です。
“そしてなぜ変色するのでしょう?”
神経のなかには血液が流れていて、歯に栄養を届けています。意外かもしれませんが、神経の周りにある象牙質には水分やコラーゲンがたっぷりと含まれています。失活すると血液循環がなくなるため、このコラーゲンなどが古くなり変性します。そして時間が経つうちに変色をおこし、象牙質の色が濃くなってしまうのです。
黒くなってきている場合でも、「神経が死んでいるからだめだ」とあきらめず、まずは歯科医院でしっかりと検査をしましょう。
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