朝、目が覚めたとき、あごの疲れを感じたことはありませんか?
無意識に行うストレスの発散としては意味のある歯ぎしり、噛みしめですが、歯の健康には実は大敵です。
知覚過敏の大きな原因でもあります。
現代人の毎日は、ほんとうに忙しいです。期日までに済ませなければならない仕事や用事が目白押し。おかげで、とくに意識はしていないつもりなのに、せかされた気分で毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
実は近年、ストレスによる歯ぎしりや噛みしめをする方が増えています。歯ぎしりや噛みしめをしているかどうかは、歯の専門家が見ればたいていわかります。歯がすり減ったり、傷んだりしているからです。
まず、歯ぎしりは、溜まっているストレスを就寝中に発散する行動だといわれ、これはこれで大切な意味を持っています。しかしながら、歯ぎしりほど歯科医師泣かせのものはありません。無意識に行われるため、コントロールしにくいことも困った点です。過剰な力が、健康な歯や、治療の終わった歯を少しずつ損なっていくのです。
もうひとつ、過剰な力として問題なのが噛みしめです。噛みしめは日中でも起こります。たとえば、集中してコンピュータに向かって仕事をしているとき、あるいは下を向いてギュッと歯を噛み合わせていることはありませんか?
上の歯と下の歯は、噛み合わずに少し浮いた状態でいるのが自然な姿です。でも、仕事中、ついギュッと噛んでいるかたは意外に多いのです。なかには「上下の歯は、ふだんから噛んでいるものだ」と思っている方もおられますが、それは違います。
以前は、知覚過敏といえば、エナメル質をすり減らすほどのゴシゴシみがきが主たる原因だといわれていました。しかし現在では、ストレスからくる歯ぎしりや噛みしめも、その大きな原因であることがわかってきています。
歯に強い力がかかり続けると、硬質なエナメル質はやがてポロポロとはがれ落ちます。その結果、象牙質がむき出しとなって、知覚過敏がはじまってしまうのです。
しかも、こういう傷んだ状態のエナメル質を、硬い歯ブラシで、しかもゴシゴシと歯みがきをすれば、知覚過敏のリスクは複合的に高まってしまいます。
ストレスの多い現代の日本人。知覚過敏はこのように現代病としての側面も大きいのです。
とはいえ、日中の噛みしめは、気をつければ少なくすることができるでしょう。問題は就寝中の歯ぎしり。止めたくても難しいのが現実です。
そこで歯ぎしりの激しいかたには、夜間のダメージを防ぐために、お口に合わせて作ったマウスピースを装着して就寝していただく方法もあります。
もしや、と思われる方は一度ご相談ください^^