インプラントにチタンを使われるようになったのは、ブローネマルク博士の、骨とチタンが結合するという、世界の常識をくつがえしたオッセオインテグレイションの発見からでした!
以来、多くの研究が行われオッセオインテグレイションは科学的な根拠に裏づけされ、チタンは歯科医療だけでなく医学の多くの分野で広く応用されています。
抜け落ちた歯の代わりに何らかの代替物を顎骨に差し込んで固定し、歯と同様に機能させようという試みは古代から行われていたようです。紀元前1世紀ごろのローマ時代の遺跡から、顎骨に埋入された錬鉄製の骨内インプラントが発見されています。しかし、この鉄製インプラントは歯の代わりに機能していた可能性はあるものの、長期良好に機能することはなかったと想像されています。
チタンは骨となぜガッチリと結合するのでしょうか?
チタンの結晶構造は6方晶系とよばれる6角柱の形をしています。
実は骨や歯を構成しているヒドロキシアパタイトの結晶構造も6方晶系なのです。分子レベルで形が類似していることで、細胞がチタンを異物として排除せず、むしろ歯槽骨の中に積極的に取り込んでガッチリと結合するのではないかと思われます。