冷たいものを食べたとき、歯がキーンとしみて顔をしかめたことはありませんか?
それが「知覚過敏」です。
一時的に消えることが多いので見過ごされがちですが、日本人の4人のうち1人に経験があり、ストレスも、その原因のひとつです。
知覚過敏というと、もっと痛みがひどいものだと思われがちですが、じつは大変身近な症状です。とくにむし歯ができているわけでもないのに「しみる」という、多くの人が経験するものなのです。
たいてい、一時的に怒っても刺激がなくなればすぐにおさまってしまうので、それほど注目されませんが、日本人では、じつに4人に1人が「現在歯がしみる」と回答したというデータがあるほど一般的です。
こうした症状が進んで、冷たいものだけでなく、熱いお茶を飲むたびに、さらには甘いもの、酸っぱいものを食べるたびに飛び上がるような痛みがあったり慢性化するとなると、これは問題です。楽しいはずの食事やお茶の時間までつらくなってしまいます。
でもなぜ知覚過敏になると、あんなに強烈にキーンとしみるのでしょうか?
それは、歯を覆って守っているエナメル質のどこかが、部分的に失われているからなのです。
外界の刺激から守ってくれているエナメル質が失われると、内部に隠れていた象牙質がむき出しになります。象牙質には象牙細管という細い管が無数にあり、神経に向かってはしっています。象牙細管のなかは液体で満ちていて、象牙質に加わった冷たい、熱いなどの刺激を、直接神経に伝えてしまうのです。キーンとするたえ難い痛みは、こうして生まれます。
今でこそ、歯みがき剤のコマーシャルなどで「知覚過敏」という言葉は広く知られるようになりましたが、以前は「もしやむし歯?」と思って歯科医院に行っても、むし歯などの直接的な痛みの原因となる病気が見つからないため、よい治療方法もなかったのです。あるいは、強い痛みを止めるために、知覚過敏になった歯の神経を取ってしまうなどの方法もとられていました。
しかしいまでは、知覚過敏の原因が解明されたと同時に、露出した象牙質を保護するコーティング剤を塗ったり、レジンで埋めたりする方法で、象牙質への刺激をシャットアウトすることができるようになっています。よほどの症状でないかぎり、こうした方法で治療をすることができるのです。
頭のてっぺんまで突き抜けるような痛みはたいへんつらいものです。病気ではないからと我慢しないで、ぜひご相談くださいませ。
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